Windows上のVMwareにmacOS High Sierra betaをインストールする方法

2017/06/08 18:47

日本時間 2017/06/06に行われたWWDC 2017にて、macOSの次期バージョンmacOS 10.13 High Sierraが発表されました。

今秋リリースに先駆けて、さっそくデベロッパー向けにベータがリリースされています。

今回は、Windows上のVMwareにmacOS High Sierra betaがインストールできるか検証してみましたので、紹介いたします。

必要なもの / 環境

  1. インテル バーチャライゼーション・テクノロジーに対応したCPU
  2. Mac本体もしくはVMwareで作成したOS X 10.9以降の環境

  3. VMware-workstation-10.0.2-1744117.exe.tar
    7zなどで解凍(実際に使用するのはPlayerのみでOK)
  4. unlock-all-v130.zip:VMware Unlocker for OS X – InsanelyMac Forum
    (会員登録が必要なためLinkを後述)
  5. macOS_Sierra_Developer_Beta_Access_Utility.dmg
  6. Install macOS 10.13 Beta.app
※VMware Workstation 11/Player 7以降でも可能かもしれませんが未確認

VMwareをMac OS Xに対応させる

「VMware Workstation」をインストール後、「unlock-all-v130」にてWindowsでもMac OS Xを認識させるようにします。

Link:unlock-all-v130.zip
展開後:

unlock-all-v130->windows->install.cmdを右クリックから管理者として実行

以上で完了です。

macOS High Sierra Betaのインストールディスクを作成

1.macOS_Sierra_Developer_Beta_Access_Utility.dmgをマウント

「macOSDeveloperBetaAccessUtility.pkg」を実行してインストール。
※Apple Developperに参加している方は、以下のLinkからダウンロード
https://itunes.apple.com/jp/app/macos-high-sierra-beta/id1209167288?mt=12
2.Mac App Storeが開くので、macOS High Sierra Betaをダウンロード

3.ダウンロードが完了するとインストール画面になるので⌘+Qで閉じる

完了後、VMwareを終了して、仮想マシンの設定を行います。

4.インストール済み「Mac OS X」の仮想マシン設定の編集を開き、ハードディスク(VMDK)ファイルを追加

ハードウェアタブ>追加>ハードディスク>仮想ディスクの新規作成>SATAディスク最大サイズを8GB以上、仮想ディスクを単一のファイルとして格納


名前を「High Sierra 10.13 beta Installer.vmdk」にしておきます。

5.OS Xを起動し追加したディスクを初期化

パーティションタブを選択
ボリュームの方式:1 パーティション
オプション:GUID パーティションマップ
名前:Installer
サイズ:8GB
フォーマット:Mac OS 拡張(ジャーナリング)


消去してフォーマットします。

4.ターミナルを使ってインストール用ディスクを作成
1)作成した新規ディスクに下記コマンドでインストールDiskを作成

sudo /Applications/Install\ macOS\ 10.13\ Beta.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/Installer --applicationpath /Applications/Install\ macOS\ 10.13\ Beta.app --nointeraction
2)完了後、右クリックで作成したディスクを取り外しシャットダウンします。

以上でインストールディスクの完成です。

macOS High Serria Betaのセットアップ

1)VMwareを立ち上げて「新規仮想マシンの作成」をクリック

2)「後で OSをインストール」を選択する

3)ゲスト OSを「Apple Mac OS X」の「Mac OS X 10.9」にする
4)名前を「macOS 10.13 High Sierra beta」にする(任意)

5)仮想ディスクを単一ファイルとして格納(容量は任意)

※SCSIで設定して下さい。
macos-sierra-on-windows-02
(SCSIじゃないと外部ディスクとして認識されるため)

6)完了後、「Mac OS X」で追加したハードディスクをVMwareの設定から削除

7)「macOS 10.13 High Sierra beta.vmx」をテキストエディタで開き、以下の項目を追加、保存

keyboard.vusb.enable = "TRUE"
keyboard.vusb.idVendor = "0x0000"
keyboard.vusb.idProduct = "0x0000"
8)仮想マシン設定の編集から、既存のハードディスクとして「High Sierra 10.13 beta Installer.vmdk」を追加

9)詳細をクリックして、「High Sierra 10.13 beta Installer.vmdk」が SATA 0:0になるように編集

以上で完了です。

macOS High Serria Betaのインストール

1)「macOS 10.13 High Sierra beta」を選択「仮想マシンの再生」をクリック

2)立ち上がったら日本語を選択し、ディスクユーティリティを開く


3)先頭にフォーマットされていないディスクがあるので「消去」


※デフォルトでフォーマットが「APFS」になっていますが、VMwareが対応していないため「Mac OS 拡張(ジャーナリング)」にしてください。

名前を「Macintosh」にする(任意)

4)ディスクユーティリティを閉じ、「macOSインストール」を選択


5)作成した「Macintosh」を選択してインストール


あとは、何度か再起動されインストール完了となります。

インストール後の設定

1.初期設定を行う

完了後、キーボード設定アシスタントでキーボードを設定

必要に応じて、Finderやシステム環境設定を行って下さい。


以上で、インストールの完了です!




VMware Toolsについて
Unlocker 2.0.8などを利用して、VMware Toolsをインストールしてみましたが、High Sierraには対応していませんでした。そのため、クリップボードの共有やファイルのドラッグ&ドロップ、画面表示サイズの変更ができませんでした。
Unlocker 2.0.8は、2015年で開発が止まっているので、有志の方が2.0.9など作成してくれるのを待つしかない状態です。現状ではSierraを利用するのがいいかなといったところです。

APFSについて
インストールディスクのフォーマットでは利用(インストール)できないファイルシステムでしたが、High Sierra上ではAPFSのdmgファイルを展開することができました。

iOS 10.3以降のIPSWファイルは、APFSでフォーマットされており、古いMacでは中のシステムファイルを見ることができませんでしたが、High Sierra Betaでは展開することができました。

iOS 11のファイルシステムも確認できるので、興味深いところです。

常用はできませんが、一応Windows上のVMwareでも動くことが確認できました。